9月に発売された「MONOCHROME 2023」に掲載した作品の制作過程を、簡単にですがご紹介します。
構想メモ
「こんな雰囲気で描きたい」という
漠然としたイメージがあったので、
それらの解像度をあげるための構想メモです。
構図を描いている途中でタイトルとなる言葉が
ふっと降りてきたのでメモしました。
「I’ve got to go.」僕たちはもう行くよ、
君はどうする?みたいなニュアンスです。
ストーリーが見えるような雰囲気にしていきたいと思います。
ラフ
構想メモに描いた構図のうち1つ選び、
ラフを起こします。
線だけのラフだと全体のバランスが
わかりづらかったりするので、
ベタ塗を置くことが多々あります。
背景の制作
まずは背景から描いていきます。
水色の線は仕上がり線です。納品時は消しています。
柱の形を改めて考え直し、線画にしました。
そのあとベタ塗りをひき、おなじレイヤーに
柱の描き込みをします。
今回は柱と台座のレイヤーを分けています。
最終的に線画をなくす予定なので、都度線画レイヤーを
非表示にして確認しながら着色しています。
左側の柱が完成したら、右側にコピー&反転します。
柱のはるか奥から光が漏れていて、
あの先には何があるのだろう?
なぜあそこに向かうのだろう?
そういったストーリー想像しながら
光の描写を描き込みます。
人物と犬の制作
モチーフはシルエットを重視しているので、
まずラフをある程度きれいな線にまとめてから、
全体のシルエットを起こします。
上記のシルエットがあるレイヤー(人ベタ)に、
クリッピングマスクをして部位ごとに描き込みをしていきます。
この方法だとシルエットを崩さずに描き切ることができるのでおすすめです。
自分の場合は、納得いかなくて直しすぎて正解がわからなくなり一生終わらないということがよくあるので、この描き方をしています。
この時点で資料などをみて悩みながら試行錯誤しているので、シルエットに矛盾が生じて手直しすることもけっこうあります。
まだまだ描き方は模索中なので、いろんなやり方を参考にして取り入れながら制作していきたいと思います。
傘や鞄はあとから追加して描いています。
仕上げ~完成
床への映り込みを表現し、テクスチャを追加しました。
色調補正で全体の色を整えて完成となります。
今回のタイトルをこっそり床に忍ばせてみました。
こちらのイラストはartbook事務局様の「MONOCHROME2023」に掲載していますので、
ぜひ紙でどう印刷されているのかご覧になってみてください。
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